daily life.

ドラマを重箱に見立て隅々を箸で突くブログ。

3年B組金八先生第1話「ギラリと光るダイヤのような日、ギタギタ光る金八の汗」




第1話の放送時間が医龍とまともにぶつかってしまったので、
リアルタイムでの放送を見送っていた金八先生に、
昨夜お会いすることができた。

私にとっては、腐ったミカン以来の正面からの対峙だ。
しかし、懐かしいという感傷よりは、
「相変わらずだな、ハッハッハ」という感慨を抱いた
3年B組金八先生であった。






この土手を、彼はもう何度歩いたのだろうか。
この土手に武田鉄矢と学生服の連中が数名立つだけで、
それはもう金八の世界だ。

ン十年の金八ブランクがある私だが、
この土手と武田鉄矢という2アイテムにより、
苦もなく金八の世界に有無を言わせず入り込まされてしまった。

おそるべし、鉄矢。




さて、ストーリーはと言えば、
その時代時代に問題になっている様々な事柄を
必ずや盛り込みつつ展開されていくのが常なる金八の世界。

今回も冒頭より、痴漢行為冤罪ネタがいきなりご披露される。
理科教師・遠藤(山崎)が電車内で痴漢行為をはたらいていた
別の乗客を捕まえようとしたところ、
自分が犯人に間違われてしまったということであったのだが、
これに関しては、目撃者がいたことから無実があっさりと証明され、
大事には至らずに済んだという、
言ってみれば、前フリ的なネタとして処理される程度の問題であった。

今回の話の軸となった生徒は2名。



一人は画面中央の男子生徒。

クラス内では、どうやら孤立しているようだ。
クラスの皆と打ち解けあい仲良くやっている生徒ではなく、
常に成績と内申点をあげることしか頭にないような、そんな生徒だ。

しかしこれは本人の意思ではなく、
親の過剰な彼への期待が、彼の心を圧迫しているという裏事情が
どうやら秘められているらしいのだが、とりあえず先へと急ごう。


もう一人の軸となるのは、女子生徒だ。



誰もが100点満点の解答を提示してくれそうな、
何処からどう見ても「私が問題を抱えた女子生徒です」と
言っているような按配だが、
そう、その按配の向かって右端のうな垂れた女が、
栄えある第1話目ストーリーの要となった生徒である。

成績も良く、クラス行事にも皆と協調しつつ参加するという、
特に問題のない「いい子」に位置しているこの生徒だが、
なにやら学校帰りに公共のトイレで私服に着替え、
家にも帰らずに繁華街をトボトボと歩いている。

果たしてどのような問題を抱えた女子生徒なのか。



そんな2人の訳あり生徒が、1話目より登場する3年B組だが、
金八先生の教育理念とその信念は、時代を越えてもなんら変わることはない。

生徒一人ひとりが書いた絵に、何処かひとつはいいところを見つけ、
それを褒め称えながら、ついでに今回の3Bの全生徒の、
視聴者への自己紹介をも兼ねてしまうという手法はさすがだ。



そして、別にわざわざ言わなくてもいい知識をご披露し、
チクリとしたイヤミを添えることも忘れないところも、ご健在のようだ。


今回の3Bヒロインは、もしかしてこの女だろうか。
顔が命らしいこの女は、町の風景がテーマの美術課題に、
自分の顔を全面に描き切るというドン引き絵画をご提供してくれたのだが。



役名 平野 みなみ
いずれ何か問題を起こすに違いないだろうが、1話目では
どこまでも能天気な明るい娘であった。


さて、可愛い女子生徒なんぞは、視聴するのに
私にとってはなんのメリットにもなりはしない。
この先の視聴を支えるのは、
ひとえに煩悩刺激レベルに達している 性別=男 を
探し出せるか否かにかかっているのだ。

主役がどうしたって金八先生である以上、
のっけからその男を探し出す必要に迫られている私は、
誰が誰だかさっぱり分からない生徒群の中から、
とりあえず、少年隊はかっちゃんのムスコ、いや息子であるという
役名 金輪 祐樹くんを探すことにした。




・・・・・・・・・・。




別に私がブログ公開にあたり、
わざわざ彼をアトリエタッチにしたわけではなく、
ジャニの掟によりこのような人物画像での公式サイトキャスティングに
記載されているかっちゃんの息子だが、
予め、梅さまよりそのお顔画像をご提供いただいていたものの、
動く植草ジュニアをマジマジと眺めた上での
わたくしの煩悩との会談は、僅か12秒ほどで閉会することとなったことを、
せめて小声で申し上げておこう。


そしてアトリエタッチ仲間の彼。


彼が、どうやら今回の3Bの「スカした野郎」的位置に属する生徒らしい。


この生徒がもしや、元シブガキ隊フックンのご子息なのか?



顔写真がそのまま素直に掲載されているということは、
もしや彼はジャニ事務所に所属しておられないということなのか?
とすれば、父フックンは ジャニになにやらたいそうなご不満が
あったということなのか?
・・などというダークな裏事情をこのようなところで考えてはほくそ笑む、
そんな私にZOKKON 命(LOVE)。





とりあえず、↑この男子生徒が唯一煩悩をかすめたかなぁと思ったものの、
この生徒を頼りに視聴できるほどの、うきゅー度ではない。

しかしよくよく考えてみれば、なにをそんなに必死こいて、
煩悩レベルな青年を探し出さなければならないのか。

此処は、3年B組金八先生の世界なのだ。

私が見るべきは、親として現在の教育現場が抱えている
様々な問題であるべきではないのか。

無理矢理に自分をそう納得させることで、
私は早々にイケメン探しを諦め、
ストーリーのみ重視ドラマとして金八を視聴することを決めた。



さて、3Bでは、クラス委員を決めなければならなかった。
どうやら1年間を通してではなく、学期ごとに選出されるようだ。

そんな中、普段クラスのことなどまるで考えちゃいないはずの
冒頭ご紹介した、
今回のストーリーの要となるうちの1人、
役名 長谷川孝志(はせがわ たかし)が、
突然立候補を表明する。

クラスメイトから、「内申点狙いじゃね〜の〜?」という
野次が飛び交う3年B組。

立候補を表明する教壇演説で、
これといったアピールもしない長谷川だが、
案の定結果は0票というものであった。

しかし、この0票に金八の心のアンテナが振れたようだ。




何故、自分に投票しなかったのか?と彼に尋ねる金八。
ほんとうはクラス委員なんかやりたくなかったんだよな?と問いかける金八。
先生、でも嬉しかったぞ。
おまえの心の声を聴いたような気になったと、畳み掛ける金八。

しかし現役中学生の心は、嘗てのそれとは違うようだ。
金八節もたった一度程度では、生徒の心の扉を開く鍵とはなれないらしい。

無言で走り去る、長谷川。



そんな折、教師相手に異議を唱える生徒の親が現れる。



現在、各々教育現場で問題になっている、
モンスターペアレンツと呼ばれる種類の親だ。

これまでの常識ではとても考えられない持論を振りかざし、
教師を翻弄する親どもである。
そのレベルは年々壮絶さを増している。

もはやそのレベルは、
「子供の体操服を何故家に持ち返り、親に洗わせるのか?
先生が洗ってください。」
というレベルにまで達しているのだ(実話)。





職員室に乗り込んできた親は、
長谷川孝志(はせがわ たかし)の親であった。

一体何がそれほどにご不満なのかと言えば、
優秀作品には美術展への出展特典のおまけつきであった、
夏休みの絵画課題の、息子の絵への評価に納得ができないというもの。

3年B組からは5名の選出者があった、その美術展への出展に、
長谷川孝志の絵は選ばれなかったのである。

まずは単独で新米美術教師 立花に抗議を申し立てにきた母親は、
自分の叔父が東京芸大出身であることを掲げ、
てめーのような地方美大出身者に、
息子の絵への正当評価はできないと、憤る。

そして後日夫持参で再び職員室に乗り込んできたこの親どもは、
美術教師立花が評価を改めないというのであれば、
彼女を教育委員会に訴えると言い出すのであった。

しかし、立花が長谷川孝志の絵を選ばなかったことには、
理由があったのだ。

普段彼の書く絵を見ていれば、
今回長谷川が提出した絵の筆遣いは、まるで別人のタッチであり、
かなり技量に優れた者の描いた絵であると思われるというのである。

長谷川は他人の書いた絵を自分の書いた絵と偽り提出していたのだ。

それは、美術展への出展作品に選ばれれば、
それだけで美術の内申点が5になるという、
どこから出たのか分からない噂を長谷川の親が耳にしたことにより、
息子へかけたプレッシャーの末の、彼の苦渋の決断であった。

金八は、子供の描いた絵を見たことのない、長谷川の親を憂う。
そしてその事実を長谷川にも長谷川の両親にも告げることなく、
ただ、評価は正当ですと言い続けた、新米教師立花に、
「あんたは、いい教師になる」と優しく励ますのであった。




金八の説教授業のように、長々としてきたブログだが、
もう一人の女子生徒の問題が残っている。

少々端折りつつご紹介していこう。



役名 江藤 清花(えとう さやか)


病室のベッドで横たわる女子生徒の定番理由と言えば、
妊娠であるのが常であった時代は、終わったのだ。

特に金八では、そのネタは既に杉田かおる様により、過ぎたネタなのである、駄洒落つき。

しかし、だからといって
いきなりエコノミークラス症候群でぶっ倒れるとは。
この症候群に罹患するのは、ご年配の方が多いものだと思っていたのだが、
数夜、ネットカフェで寝食を行なったというだけで、
果たしてこのような状態に陥るものなのであろうか?

そんな医学的見解は、全く持ち合わせてもいないため、さっさと先へ進もう。






――― ネットカフェ。

ネットカフェ難民、マック難民などと呼ばれる、
昼間は学校や会社に行くが、
夜はそこで食事を済ませ眠りにつくという人々が、
社会では急増している。

この時事問題を、このような形で盛り込んでくるとは、金八め。

清花は、深夜街をうろついているところを、
警察により補導されるのだが、
初犯であるということで、今回はお咎めを受けずに済み、
両親と共に家に戻る。

清花を訪ねた金八は、そこで、
息子に構い溺愛している清花の母親の姿を見る。


夏休みの絵画課題で、清花だけが
“夜”の繁華街の様子を描いていたことを思い出した金八は、
それが自分への、彼女の悩みのサインであったことを知る。

生徒のSOSを見逃していた自分を反省する金八は、
エコノミークラス症候群で倒れた彼女が退院したあとも、
家に帰っていないのではと案じ、
ネットカフェを探していたところ、偶然彼女に遭遇する。




何故か、一晩を清花と共に、ネットカフェで過ごす金八。

清花が補導されたことは、
クラスの皆には内緒にしてあるから安心しろと語りかける金八に、
「もうバレてるよ。」と壁越しに答える清花。

自分への誹謗中傷を読み上げる清花の言葉に、
現在、これまた社会問題となっている
学校裏サイトの存在に気づく金八。

「そんなサイト、見るのやめなさい。」と声をかけつつ、
先ほど派手にコケて痛めた足の湿布に、
濡れタオルを持ってきてくれないかと、清花に頼む金八。

清花が部屋を離れた瞬間、すばやく移動し、
彼女が開いていたPC画面に目を遣る金八。

そこに在ったのは、
桜中学3年B組裏サイト掲示板」であった。


匿名で書き込まれる、クラスメイトへの誹謗中傷。
それを、「便所の落書き」と表現した金八に、
あぁ、なるほどと思わされた。

そういえば昔は、学校帰りにある公園の
自転車置き場や公衆トイレの壁には、
○○死ねとか、△△ブスとか、
××は二股かけてるサイテー女とか言った文字が
書き殴られていたりもしたなぁと思ったが、

当時のそういう落書きよりも、
誰々くんへの切ない恋心とか、相合傘にそっと
彼と自分の名を書き込んでぬへへへへと笑っているのであろう落書きとか、
そういったものの方が、今の私の記憶に残っているような気がする。
(いや、たまには 正視に耐えないお下劣な絵なども
特大で描かれていたりもしたが。)

時代はまだまだ平和であったということの象徴なのだろうか。
それともその当時眺めていた落書きの悪口の対象人物に、
たまたま私が、なっていなかったからなのか。



結局、夜と密室が人の心を素直にしたのか。
清花は金八に、悩みの全てを語りつくす。

弟にばかり愛情を注ぎ込む母親は、嘗ては自分にも優しかったこと。
弟の成績が落ち始めたのを機に、それを自分のせいにされたこと。
家では弟に話しかけるなときつく言われていること。
家の中に自分の居場所がなくなり、窮屈で仕方ないので
ある日 3日間家出をしたら
その家出に母親が気づいてもいなかったこと。

現在、ネットカフェに泊るお金は、母親から貰っていること。


全てを語り、号泣する清花。
壁の向こう側にいる彼女を抱きしめてやることのできない金八の
苦虫を噛み潰したようにも見える切なげな表情。


朝、清花を送って彼女の家までやってきた金八は、
彼女の母親のあまりに酷い態度に、
「そういうことを申し上げているのではないんですっ・・!」

とうとう音声ボリューム最大ボイスをまずは放った上での説教開始だ。

「子供は、親の見栄や世間体の為に生きているのではないんですっ。」

子供は、見栄や世間体などかなぐり捨てて、
自分を想い守ってくれる親がいてくれるからこそ、生きていけると話す金八。

子の心を悩みを受け止め抱きしめてやってくださいという金八の言葉は、
清花の母親の心はともかく、清花の心は存分に閏おわせたようだ。




次の日、金八真骨頂である、ストーリーの〆となる授業が行なわれる。
これをやらずして1話は完結しない。

教材に選んだのは、茨木のり子の とある詩。

これが今回第1話のタイトルにもなっている。
以下は、授業教材となった彼女の詩だ。


ぎらりと光るダイヤのような日 / 茨木のり子

短い生涯
とてもとても短い生涯
六十年か七十年の

お百姓はどれほど田植えをするのだろう
コックはパイをどれ位焼くのだろう
教師は同じことをどれ位しゃべるのだろう

子供たちは地球の住人になるために
文法や算数や魚の生態なんかを
しこたまつめこまれる

それから品種の改良や
りふじんな権力との闘いや
不正な裁判の攻撃や
泣きたいような雑用や
ばかな戦争の後始末をして
研究や精進や結婚などがあって

小さな赤ん坊が生まれたりすると
考えたりもっと違った自分になりたい
欲望などはもはや贅沢品になってしまう

世界に別れを告げる日に
ひとは一生をふりかえって
じぶんが本当に生きた日が
あまりにすくなかったことに驚くだろう

指折り数えるほどしかない
その日々の中の一つには
恋人との最初の一瞥の
するどい閃光などもまじっているだろう

本当に生きた日は人によって
たしかに違う
ぎらりと光るダイヤのような日は
銃殺の朝であったり
アトリエの夜であったり
果樹園のまひるであったり
未明のスクラムであったりするのだ









個人的にこの方の詩集が大好きで、
友人より譲り受けた1冊を、時々開いては読み耽っている私にとり、
まさか金八先生のドラマ内で、
彼女の詩に触れることができるとは思わなかった。

嬉しい誤算である。







日本で年間に自殺する人の数は3万人以上であると話す金八。
その数はイラクで戦士した2万7千人の数を上回るという現状。
聞き入る生徒たち。

生徒一人ひとりに心に残った文節を上げさせながら、
それについて、丁寧に解説していく金八。

そして、学校裏サイトへの匿名の卑劣な書き込みについて触れ、
あんなものは文字ではない、言葉ではない、ただの記号だと話す金八。

文字というものは、大きい小さい、かすれているなど、人さまざまであり、
文字を見ればその人の心の状態が分かる、
それは文字だけではない、絵画でも同じことだと
巧みに長谷川の心に訴えかける手法はさすが抜け目ない。

そして、生徒一人ひとりに1冊のノートが配られる。
それは金八が心に開設したという、学校サイトだ。

悩みでもなんでもいい、但し必ず鉛筆やペンなどの筆記具を用いて書き、
「私は」「僕は」
と主語をつけ、書くことをルールとする金八。

清花は、その1冊のノートに愛しそうに微笑む。

長谷川は一人帰り道、詩の内容と金八の授業での言葉を反芻する。

「何故、生きていくのか分からなければ、生きることはできない」
「何故、生きていくのかが分からなければ、なぜ勉強するのかも分からない」


川に石を幾つも投げ入れながら、「うわーーーー!」と叫び出す長谷川。
それをそっと心配そうに見つめるのは、
彼の絵が他人の者だと見破りながらも心に秘めていた 美術教師立花だ。

長谷川問題は、今後に持ち越されるのかどうなのか。

そして清花は、ノート提出者の第1号となった。


そこに書かれた、清花の直筆での力強い言葉を、
金八の慈愛溢れる目が見つめている。










本当に金八先生の長い講義の如きレビューとなってしまい、
精魂尽き果てました。
この大量文を、読んでくださった画面前の貴方に
クリックまでお願いするなんて、私にはできない、あ・・金八先生。
「貴方の指で、押してやって欲しいんです・・・っ!」


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