daily life.

ドラマを重箱に見立て隅々を箸で突くブログ。

薔薇のない花屋第9話 衝撃! 全ての真実






*やりすぎの見本です。



 
野島伸司大先生及び、
薔薇のない花屋に携わる関係者の皆々様にはたいそう申し訳ないのだが、
「衝撃!全ての真実」と自信満々のサブタイトルをつけてお届けされた第9話よりも、
汐見英治が実は安西の娘を捨てた男ではなかったと分かった週のほうが、
よっぽど「衝撃!全ての真実」であったのは私だけではあるまい。



さて、既にのっけからサブタイトルにいちゃもんつける有様の、
何様ふうゆがお届けする薔薇のない花屋第9話だが、
冒頭、久々に再会を果たしたらしきボールドタマテツ神山舜と汐見英治が
バスケに嵩じている。

英治はそこで、神山舜が突然日本へやってきた理由が、
安西の病院でのとある手術のためであると知るようだ。
なにやら嫌な予感を抱いたらしき英治の苦悩顔と鼻濁音は、やはり今週も変わらない。

「見えない力って信じる?その・・何かの意思っていうか・・。」

フラワーショップ雫の完全閉店も近い。この時英治は舜へと
「最後だから泊まりに来いよ。」と言ったのだが、
このあとのシーンの中で神山舜が花屋に泊まった痕跡はあったのだろうか?
私が見逃していただけなのかもしれないが、
別に物語にとってはどうでも良さげなので、とっとと先へと進もう。




フラワーショップ雫のシャッターが閉まる。
閉めたのは薔薇のない花屋店主、お花屋さん英治だ。
いよいよ本当に閉店したらしき薔薇のない花屋。
英治は車を走らせ何処かへ向かうようだ。

辿り着いたその場所は、白戸美桜のアパートであった。

そう、先週の放送内で、
回りくどさにかけては右に出る者のない汐見英治が、
間髪入れず同棲OKの返事を出し美桜アパートの合鍵をゲットしたことは
視聴者の記憶に新しきところであろう。

英治はどうやら本気で期間限定同棲ごっこを決行するつもりらしい。

日本全国津々浦々すっかり春がやってきたが、
薔薇のない花屋の世界ではまだ真冬なのだ。
雪山で寝そべって本当に眠ってしまえば凍死してしまうだろう。
背に腹は代えられぬということか、名もなき寒がり戦士、汐見英治。


英治が美桜アパート扉前に立ち、コンコンとノックをしていると、
買い物帰りの美桜が帰ってくる。

「何してるの?」
「一応ノックしたけど・・・留守みたいで・・・。」
「勝手に入っていいのに〜〜。」
「そういうわけには・・・・・。」
「鍵、渡したでしょ?」


早口女と、鈍口男のカップル談義は今週も顕在のようだ。


「コソコソしているほうがいやらしいのよ〜〜」などと、
いやらしく吐き捨てる美桜は、自分だけさっさと部屋の中に入ると、
扉を閉めてしまう。

それもこれも、英治に「ただいま」を言わせ、
そんなただいま英治に「おかえり♪」と言いたいがためだ。

「一度言ってみたかったんだ♪おかえりなさい

何処までも少女趣味炸裂の美桜に、
もしかすれば少し引き気味だったのかもしれない、無言の英治。

「恥ずかしいから、なんか言ってよ〜。」
「すいません。」
「謝らなくてもいいのに。」

なんでもかんでもすぐに謝るのが癖の英治。
そんな英治に謝らせる会話運びを進んで執り行い続ける美桜。
お似合いだ。あぁ、とっても。


「あの・・・シンデレラじゃないんですけど・・・。」


玄関先で突っ立ったままの英治のその理由が、
靴を片方、ドアの向こうに脱いできちゃったことだったと知らされたところで、
我々視聴者は一体どのような顔をして、
それを受け入れて差し上げれば良かったというのだろう。

薔薇のない花屋、片方靴のない汐見英治。






安西院長の病院では、夜勤明けの美桜が神山舜に声をかけられていた。

「白戸さんでしたね。」

美人の名は一度耳にしたなら決して忘れないらしい神山舜。

お父さんのことを道すがら説明するので送りますよと執刀医舜に言われては、
あまり気乗りがしないが送られないわけにいかない白戸美桜。




その頃、喫茶コロンを小野先生が訪れていた。
そう、先週 盗まれた英治の金を取り戻すため、
夜の街へと一人消えたマスターが心配なのだ。

しかしこの瞬間まで、あ、そう言えばそうだっけ?と
すっかりマスターのことなど忘れていた私を此処で詫びよう、申し訳ない。

喫茶コロンはあの日から営業していないようだ。
不安げな小野先生。





タクシーの中では、神山舜が美桜の父親の手術についてあーだこーだと語っていた。

「五分五分ですね。でも僕はもっと低い確率だと思っている。」

父親に意外に大事な未来への希望があるかないかを問い、
特にないのではと答えた美桜へと、
「7分3分になってしまった」と確率大幅低下をほのめかす神山舜。

「僕の悪い癖なんです。合理的というか、嘘がつけない。」

神山の言葉に不安もイライラも募ったかもしれない美桜。





さて、花屋失業中の汐見英治は、もしやナース白戸美桜のヒモとして
同棲期間限定中を生きていくのかと思ったが、
名もなき戦士の名に賭けようにも名がないので賭けようもないにせよ、
すぐさま次の職を見つけ出すことに成功したようだ。

「体力には自信があります。」

では学力には自信がないのだろうか。
なにやら木材立ち並ぶ工事現場らしき場所で勤めることになったらしき英治。

明日から美桜は、おっ花屋さ〜〜んではなく、
工事現場やさ〜ん♪とでも呼んでくれるかもしれない。





タクシーに中継を戻そう。

父親の手術について、言いたいことを全て言い終えた神山舜が、
美桜くどきモードに突入している。

「恋人はいますか?もし良かったらお食事でも。」

この、恋人がいようがいまいが、
もし良かったらお食事しましょうな神山ナンパ台詞。見事だ。

更に「僕の技術をもって初めて手術の成功率は5分5分になる」などと、
半分脅し文句つきのナンパテクをご披露する神山舜。

しかしもう散々にその手は、
安西と直哉によりご披露されまくりの美桜には逆効果だったようだ。

タクシーを降りる意思表示をしたあと美桜は、

「恋人います。」と答える。

ならば、なにいないのか?

「なんだ〜それなら早く言ってくださいよ〜。」と、
何故すぐに言わなかったのか部分にツッコミを入れていた神山舜だが、
本質は、この“は”部分に潜ませているのではあるまいか。
君のツッコミの曖昧さが実に残念だ。

結局神山は、「普通に送りますよ、出して下さい。」と
そのまま美桜を自宅アパートまで送り届けるようだ。
なんだかんだで車を下りない美桜。商談成立。




美桜アパート前に小野先生がやってきたようだ。
そこへ実に好タイミングで現れる英治。

小野先生はマスターのことを英治に告げ、
心配だから警察に連絡しようと言うのだが、
英治は警察はまずいと、
「マスターはそっち方面は大丈夫だと思います。
ハードボイルドですから。」と小野を制すのであった。



そこへ神山舜に送り届けられた美桜がやってくる。

「英治!」 アパート前の英治の姿に気づいた舜も車を下りたようだ。

「舜。」

この瞬間、2人が知り合いであることを知る小野先生と美桜。

小野はともかく美桜はその事実にひどく動揺する。
どうやら神山舜が父親の手術の執刀医であることを、
英治に知られるのが嫌だったようだ。

しかし英治の目の前で説明的に全てをベラベラ喋ってしまう神山舜。

「いいかげんにしてください・・!」
「え?俺なんかマズイこと言った?」

全く言ってないだろう。君は悪くはない、神山舜。悪いのは白戸美桜なのだ。







安西は直哉にミッションの根幹がミスションであったことを告げていた。
今、寒々しい想いにとらわれた方も春の到来に免じ受け流して欲しい。

報酬は倍払うから、
娘を捨てた憎き男を今度こそ見つけ出しておくれな安西の言葉に、
直哉は「要りません!そんなもの!」と激怒する。

しかし、兄貴の為に本当の雫の父親探しに乗り出すようだ。





美桜アパートに上がり込んだ神山舜は、一人でベラベラ喋っていた。

無口であれば私の煩悩の針を振らせる貴方も、
雄弁になると魅力が激減することを知った私は、
ボールドからアタック液体バージョンへと洗濯洗剤を替えてしまったなんて

こんなところでとても言えない。




名もなき戦士っていうんです。」

その言葉に反応を見せた小野と無反応の美桜。

「こちらの先生は知ってるようだ。」すかさず神山舜がそこに喰らいつく。

「さすがに恋人には言えないか。」
「・・そんな・・ことは・・ない。」
「そうか?恋人に俺は話したことない。どうせ話しても分からないし。
変な同情されると腹が立ちますよ。
こう、心の中の棘が一斉に・・・」   「舜!」



「おまえそんなにお喋りだっけ?」と神山舜独壇場に釘を刺す英治だが、
久々に日本語聴いたからかなとお構いなしの舜は、
美桜の次の言葉にも余計な受け答えをして、英治を困らせる。

「薔薇にも棘があるわ。彼は薔薇だけは売らない。」
「分かる気がする。俺たちが棘の生えた薔薇だから。」
「舜!」

「自分を、売り物にはしない。」




名もなき戦士だけではなく、
棘の生えた薔薇でもあった汐見英治と神山舜、両者非売品。










さて、小野先生はその後も喫茶コロンを訪れていた。
マスターのことをそれほどまでに心配しているのは小野先生だけのようだ。

そこへマスターがけばけばしい女と共に鼻歌まじりに戻ってくる。

女だと思っていたのは彼、キャンディちゃんであった。
「彼女でしょ!」というキャンディちゃんのツッコミをせめて添えておこう。


「なにしてたんですか!?」マスターに詰め寄る小野先生。

「あ、キャンディちゃん、怖い世界に顔が利くんですよ。
そのかわり、ちょっと付き合えってしつこくって。」


バシッ!
 いきなりマスターの頬を平手打つ小野先生。


「心配してたのに・・!」


英治の金は無事に戻ったというマスターの報告も無視し、
オカマキャンディちゃんの頬までも平手打つと、
ぷんすかぷんと立ち去る小野は、
自宅マンションに戻り自分を訪ねてきた直哉を、
「先生こわーい」と言わせるほど、
「なんですか!?」と睨みつけるご立腹度だ。





喫茶コロンには菱田さんが早々に訪れていた。
一体いつマスターが戻ったことを知ったのか。
ストーカーレベルではない尾行力を持つ菱田さん。


菱田さんはマスターに言う。

「貴方に訊きたいの。ほんとの父親のことよ、雫ちゃんの。」

驚くマスターに「あなたも知らなかったのね。」と呟く菱田さんは、
口の軽さにかけては他の追随を許さないようだ。





直哉は小野先生へと事情を話して聞かせているようだ。

小野先生はどうやら安西の死んだ娘と同じ女学館の出身らしい。

「大至急、本当の父親を調べたい。
そうすれば兄貴はもとの生活に戻れる。」と、
一体誰がぶち壊したと思っているのかな台詞をのたまう直哉ではあるが、
かくして小野と直哉の雫のほんとの父親探しが幕を開けるのであった。




本当の父親を捜索され中の雫は、父ちゃん英治の工事現場へ、
チキン持参でお忍びでやってきていた。

今度からは勝手に来ちゃダメだよという英治の言葉に、
雫の父ちゃんなのに会える日が決まってるなんて変だねと答える雫。

「父ちゃんは、寂しくないの?」
「寂しいけど我慢できる。
雫のお母さんは雫を遠くからしか見守れないけれど、
父ちゃんは時々会えるから。」


―― 北風は抱きしめて上げられるけれど、
太陽は近づき過ぎると焦がしてしまうから ――


あの日の意味不明な英治の喩え話が一瞬右から左へと流れたような気がしたが、
今更蒸し返すのもなんだろうから、先へと進もう。






仕事を終えた英治が美桜アパートへと同棲生活をするために帰宅したようだ。

しかし相変わらず合鍵を用いずにノックをする英治。

鍵を受け取っているくせに、
いちいち美桜に鍵を開けさせるのは、嫌がらせの一種だろうか。

しかも美桜は夕飯準備中で忙しい身であるというのに。


「あの・・俺も・・なにか手伝いますよ・・。」

英治の手に食器を渡し、出来上がった料理を運びながら、
またも突如、ふふふふふふふふふふふ・・と笑いだす美桜が不気味でならない。

「父のオペのこと。あたしが看護師だってこと。
思いもよらない人から話されちゃったっていうか。」

そのような台詞を“ふふふふふふ”と共に話し出す美桜の神経はもっと分からない。




「改めて説明させて欲しいの。あの雨の日の出逢いから。」



そんな冒頭陳述をされる画面前の視聴者はたまったもんじゃない。
なんとかするのだ英治。その冴えわたる鼻濁音で。






神山舜は手術中であった。

手術中だというのに、ラップをガンガン鳴らしながら執刀する神山舜。

しかしその腕は確かで素晴らしき才能を持つらしい、ボストン生え抜き神山舜。





再び美桜のアパートだ。冒頭陳述は始まっているようだ。どうしよう。


「どうせすぐバレてしまうって。
やるだけやったらそのうち・・・。
貴方はひどい人だって聞いていたから・・。
でも雫ちゃんや菱田さんを騙してるって罪悪感がずっとあって、
お金のこと言われた時はこんなことできない、もうやめようって、
でも、父が倒れて私が思っていたより病状が酷くてそれで・・」



ふうゆによる意訳


“なんだか知らないけど汐見英治って極悪非道人みたいだし、
まぁ盲人演技なんてどうせすぐにバレるだろうから、
適当に任務を遂行してれば安西院長も父の手術をやってくれるわよね。
雫ちゃんと菱田さんを騙してるのは心苦しいけれど、
お花屋さんを騙してるのはなんだか快感〜〜♪
でも金が絡む話はやっぱ危険じゃない?やめちゃおっかな〜。
え、ちょっとまってよ、こんな時に倒れないでよ父さん!
しかもなに?そんな難病じゃ手術代もほんとにバカになんないじゃなーい。”





プルルルルル。救いの電話が鳴ったようだ。
英治の想いも同じであったのだろう。速攻で電話に出る英治。
更に「ちょっと外出てきます。」と、とっとと部屋を出て行こうとする英治。


「待って・・!聴いて欲しいの!だってこのままじゃ・・・!」
「いいじゃないですか、もう、いいじゃないですか・・・。」


一瞬、英治に日景忠男が乗り移ったのかと思ったが、
お若い貴方にはなんのこっちゃなネタだろう。気にしないでくれたまへ。


英治は美桜の制止を振り切り部屋を出ていく。
残された合鍵を握りしめ不安げな表情を浮かべる美桜。





英治に電話をしてきたのは、神山舜だったようだ。

「よ!」


寒いから飲みにいこうぜという舜の言葉に、
酒も煙草もやらないことを申告する英治。

名もなき真面目な戦士。


「改まって大事な用ってなんだよ?」
「・・・安西院長の・・ことなんだ・・・。」
「あぁ、知り合いみたいだったよな。どういう接点だよ。」
「・・・・・・るりちゃんだよ。」
「・・・?」
「忘れちゃいないだろ・・・・?」
「忘れかけてはいたよ。」
「彼女の父親が・・・・安西院長なんだよ・・・・・。」
「!?ほんとか!?そらちょっと参ったなぁ〜。
昔捨てた女の父親なんて。」


「でも昔のことだろ。あいつだって新しい恋人できてるだろうし。
もう結婚したか?
でもアイツつきあってる時、ひとっことも
医者の娘なんて言わなかったぜ〜〜〜。なんだよ〜〜〜。」
「・・・・死んだんだ・・。」
「・・・!?」
「・・・死んじゃったんだよ・・・るりちゃん・・・・。」
「・・・冗談だろ・・?英治・・・。」
「・・・小柳ルリちゃん・・・。」
「・・・それはほんとに寒い冗談だよ、英治・・・。」









美桜は鍵を置いたまま戻らない英治を探しに行くようだ。
しかしコートを羽織ったところで、直哉から電話が入る。

「スペシャルなネタがあるんすけど。」

直哉より雫の本当の父親が英治ではなかったことを聞かされる美桜だが、
第一発見者の美桜にとり、それはもはやどうでもいいネタであった。

美桜の反応に拍子抜けの直哉だが、
自分がいま、小野先生と共に本当の父親探しをしていることと、
“兄貴のために直哉は心を入れ替えて働いている”ことを
英治に伝えて欲しいと伝える。しかし無碍に切られる直哉携帯。
全ては美桜用ではなく視聴者用の台詞であるということだろう。





さて、英治と舜へと場面を切り替えよう。


「それじゃ、るりが死んだのは俺のせいだってのか?」
「そうは言ってない・・・。」
「るりが妊娠した時、俺の代わりに話をつけるっておまえが・・・!」
「・・言えなかったんだよ・・・。どうしてもるりちゃんに・・・。」


「分かったぞ英治。おまえ、るりに気があったんだろ?
そのうち俺は留学で消える。
そうなれば、るりがおまえに靡くことも考えられる。
おまえは言えなかったんじゃない。言わなかったんだ・・!」
「そうだよ・・俺は・・
おまえとの別れ話を彼女に言うつもりはなかった・・・・。」
「それで出産に堪え切れず、彼女は死んだ。」
「そうだ・・・俺が死なせたんだ・・・・
俺が・・彼女を死なせたんだ・・・。」



苦悶の表情を浮かべ、当時を振り返り告白する英治とは対照的に、
神山舜は、安西の恨みの対象が
自分ではなく英治に向けられているとわかると、
途端に安堵の表情を浮かべ、英治へとハグしながら言う。

「俺は関係ないんだな。それならいいよ。
たかが女のこと、それも過去の。

俺たちは唯一信じあう同志だ。


そんなことぐらいで・・・・・・!?












英治と舜が気配を感じたその先に、立ちすくんでいた女は白戸美桜であった。








全てを美桜に聴かれてしまったことで焦る神山舜は、
「秘密にしておいてくれないか?」と、
真実を安西が知れば、僕を手術から外すだろう、
そうなれば君のお父さんは・・・と、
巧みな話術にて美桜の口封じを図ろうとする。

「君のお父さんは僕じゃないと助けられない。」








次の日。

真実を美桜へと知られてしまった英治は、マスター四条とお話中だ。

「どうして小野先生にあんな嘘を・・・?」
「すんなり金が出てきたらどうしてだって話になるだろう?」


なんと此処で衝撃の事実が明らかになる。

マスター四条は、元暴力団担当の刑事だったのだ。



薔薇のない花屋第9話サブタイトル「衝撃!全ての真実」のメインなる衝撃は、
おそらく此処に違いない。なるほどそうだったのか。

マスター四条は何故、刑事を辞めたのか。
辞めて何故、喫茶店のマスターという畑違いも甚だしい職に就いたのか。

そんなどうでもいい部分が気になる、薔薇のない花屋、職務経歴のある四条。


英治は四条より無事に花屋全財産を受けとる。
しかし、これで花屋を再開しろという四条の言葉に何処か浮かない顔だ。

「俺って・・・・言葉足らずですかね・・・・?」

言葉足らずなのではない、舌足らずなのだ、英治。


そんな舌足らずな英治へと、四条の恋愛アドバイスだ。


「時には決めないといけないのかもしれないね。

日本男児渾身の、愛してる
。」










美桜は父親と共に、どこぞのド田舎を訪れていた。

更地でゼロからやりなおしてみたいという美桜父は、
土地を借りるには一人もんではダメだという掟を前に、
おまえの力をお借りしたいと美桜にお願いする。

彼氏がいるようなこと言ってたしダメだよなと諦めモードの父だが、
美桜は「そのことはもういいの。」と淡々と話し、
いいわよと、父の最後の希望を叶える約束をするのであった。









直哉と小野先生が、ひとりの女性を訪ねていた。
妊婦の女性のようだ。

“るり”の日記には恋人の名はイニシャルでSと表記されていたようだ。

「汐見のSだとばかり思ってて。」 

なるほど確かに汐見のS。ついでに慎吾のS。


妊婦女性は彼女のプライベートだからと、
なかなか事の詳細を話そうとはしなかったが、
小野の口より、彼女(るり)も妊娠していて
実は赤ちゃんを産んだのだと聞かされると、
お通夜でもお葬式でもそんなことは一切言ってなかったと驚いた様子を見せる。

「お願いします。父親の名を教えて下さい。」








神山舜は、ピアノも達者なようだ。安西邸で腕前を披露中の舜。
部屋に飾られたるりの写真に複雑な表情を見せる舜。

なにも英治があの日夜の公園でわざわざ舜に打ち明けなくても、
どうせいつかは自力で知ることとなったこの事実。

しかしどうしてもあの日の夜の公園でなければならなかったその理由はただひとつ、
白戸美桜の耳に、すべての真実を入れる必要があったからに他ならない。






白戸美桜がアパートを立ち去るようだ。

「置き手紙残してきた。父の手術が近いので。」

英治へと告げる美桜。

「お花屋さんが良ければ、アパートはそのまま借りられるわ。」
「そして・・貴女は・・戻らない・・・。」
「ええ。」
「・・・そうですか・・・。」
「期間限定。思ったより早く終わることになっちゃったけど。」


「最後に聴かせて・・。昨日神山さんに話してたこと・・。」「事実です。」




英治の間髪いれぬ言葉に美桜の淡々口調はもはやこれまでだ。


「事実だけど真実じゃない・・!
彼女を死なせてしまったのは、貴方じゃない・・!
そうでしょ!?違うって言って・・・!」

それは“お花屋さん”の性格ではどだい無理な話であろう。
案の定英治は黙りこんでしまう。


「・・お花屋さんは強いのね。
なんにも執着しない。容易く手放しちゃう。
連れて逃げたって良かったのに。雫ちゃんのこともあたしのことも。

結局、誰も信じてない。

誰も、愛してない・・・!
 」




・・・・おまえのような女の、一体どこをどう信じろというのだ。

盲人の振りなどという常識では考えられない離れ業を散々仕掛けておいて、
花屋全財産をまんまと騙し取り、
挙句の果てには愛娘雫までをも英治より奪った張本人のおまえのような女を。

どう信じろと?どう愛せと?どの口が言っておるのか、白戸美桜。




「私がこんなこと言える立場じゃないわよね。」








・・ストレスのたまる女だ。視聴者の怒りの矛先を寸でのところで躱すとは。

素直にそう言われては、振り上げた拳をぬぐぐぐ・・と下ろさねばならない。
フラストレーションマックスの視聴者を置き去りにして、
今、英治と美桜に、別れの時が訪れる。



「今までいっぱいいっぱい、ごめんなさい。さよなら お花屋さん。」




美桜は坂道を下っていく。一度も英治を振り返らずに。













直哉は安西に電話を入れていた。
どうやら決死の捜索が実り、雫の本当の父親の名が分かったようだ。

既に視聴者他、出演者の主要人物は皆御入手済みの情報だが、
一番知りたかったであろう安西院長は今初めて聞かされるのである。

ここはひとつ共に大仰に驚いてあげようじゃないか。


「Sは下の名前でした。シュン、カミヤマ。神山舜です。」





真実を知った安西の受話器を持つ手が震える。
そういえばアル中はどうなったのだろうか。

そして美桜の父の手術は一体どうするおつもりだろうか。

全ては次週のお楽しみだ。







神山舜の乗る 安西お抱え運転手の運転する車が、
手を繋ぎ歩く雫と菱田さんとすれ違う。

本当の父親と雫が初めて対面したこの一瞬。
2人は本当に実の親子なのか。






美桜はバスの中。白い玉を握りしめていた。
あの日、赤い玉が出たと偽り、
自分にテレビを捏造当選させてくれた英治の優しさを思い出したか。
バス内にて号泣の美桜。


そのころ英治は、美桜と別れた坂道てっぺん付近にて、
ワゴン車の前に△座りをして、ひたすらに黄昏ていた。

人は、尋常じゃないほどの衝撃を受ければ、
アスファルトに△座りをしてしまっても不思議ではないのだ。

何故△座り、なにも好き好んで△座りなどと思ってはいけないのだ。

何故せめて車に乗り込み、ぼんやりしないのか、とか、
車を走らせながら涙で滲む街の明かりをぼんやり眺めてみないのか、とか、
他にいくらでも許容範囲な黄昏シーンが存在していようとも。


ここは△座り。なにがなんでも△座りでなければならないのである。









英治が立ちあがる。

ワゴン車後ろのドアをあける英治。

バサリ・・と落ちたのは、花束だろうか。

拾い上げた英治の腕に抱えられた大きな大きな花束は、深紅の薔薇だ。


―――― 薔薇。




薔薇だけは決して店に置かなかった英治が、
おそらくは美桜に手渡すために用意した薔薇の花束。

それは、日本男児渾身の“愛してる”であったのか。




ちらちらと降り始めた白雪が、
英治がぎゅっと抱きしめる、紅の薔薇の上にも降り注ぐ。















次週薔薇のない花屋第10話では、
なにやら新たなビデオレター録画部分が発見されるのか?

ビデオ内にて“るり”が「内緒で浮気しちゃおうか?」と
無邪気に語りかけた言葉に深い意味はあったのか、どうなのか?

真実を知った安西は、神山をどのように扱うつもりなのか?

そして、美桜と英治の愛の行方は果たして――――。







珍しく、現在誰も死んでいない野島ワールド。
第1話冒頭にて突然死者を出したことで、満足なさってしまったのだろうか。

いや、まだ残り2話分の放送が残っている。
2話もあれば、5人ぐらいは余裕で闇に葬り去れるだろう。

誰か死ぬのか?それとも歴史的快挙で今後一切の死人を出さずに終わるのか?



少しはま正面からヒューマン・ラブ・ストーリーを楽しんだらどうなのか?と、
己に問いかけたい気持ちもなくはない、薔薇のない花屋。




次週も宜しければ、此処にてお会いいたしましょう。












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薔薇のない花屋 (松田翔太さん)

◆松田翔太さん(のつもり)松田翔太さんは、毎週月曜よる9時フジテレビ系列にて放送されている連続ドラマ『薔薇のない花屋』に工藤直哉役で出演しています。一昨日は第9話が放送されました。

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